帝国宝物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/17 07:52 UTC 版)
「帝国宝物(ドイツ語版)」も参照 帝国宝物(ドイツ語: Reichskleinodien)とは、ローマ王(ドイツ王)の帝国支配を正当化する一群の宝物である。宝物は帝国権標(神聖ローマ皇帝冠、帝国宝珠(ドイツ語版)、帝国剣、祝典剣、帝国十字架など)、戴冠式装束(鷲のダルマティカなどのダルマティカ、アルバ、ストラなど)、帝国聖遺物(聖槍、聖十字架の欠片、聖ヨハネの歯など)の三つに大別される。帝国宝物の所有が正統な国王の有力な根拠となるのは10世紀ごろであると考えられ、14世紀頃までにはいくつか追加も行われた。のちには帝国宝物は帝国と一体の物と考えられるようになり、単に「帝国」とも呼ばれた。アーヘン(のちにはフランクフルト・アム・マイン)でおこなわれる戴冠式でこれらの宝物が新しい国王に譲渡された。カール4世は帝国宝物保存のためプラハ郊外にカールシュタイン城を建設したが、1423年になってジギスムントは帝国宝物の管理をニュルンベルク市に委ねた。以降帝国宝物の大半はニュルンベルク市で保管され、アーヘンには聖ステファンのブルサ、カール大帝の剣などが保管されていた。ナポレオンがドイツに侵攻すると、帝国宝物はレーゲンスブルクを経てウィーンに移された。ナチス・ドイツ時代のアンシュルス(1938年)後には再びニュルンベルクに戻されたが、戦後になってウィーンに戻された。
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