巨峰誕生に関わる歴史
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/31 07:15 UTC 版)
1919年(大正8年) 「大井上理農学研究所」を設立(現、東京都港区麻布)。同年、研究所を静岡県田方郡下大見村(現伊豆市)に移転し、ブドウの研究を本格的に開始する。 1937年(昭和12年)、農学者大井上康が、静岡県田方郡下大見村にある大井上理農学研究所で、豪州品種「センテニアル」×岡山県産の日本品種「石原早生」という2種のブドウの交配を着手する。第二次世界大戦中のため、育種株の栽培や育種交配などは密かに行うものの、本格的な研究開発は一時、断念する。 1942年(昭和17年)、試行錯誤の結果、日本の高温多雨多湿の気候に適した、4倍体品種である、ブドウの新品種、品種名「石原センテニアル」商品名(商標名)「巨峰」が誕生。 1948年(昭和23年) 研究開発を本格的に再開する。 1952年(昭和27年)9月23日 大井上康が逝去、享年60。 1952年(昭和27年)、大井上理農学研究所の代表に大井上康の長男、大井上静一が就任する。 1953年(昭和28年)6月1日、「巨峰」を種苗名称に登録を申請する。「農産種苗法」に定められて、新品種を創出した育苗家を保護し、販売の権利と利益を確保するために、農林省に種苗登録を行った。(「農産種苗法」は昭和22年に施行された(法律第115号)法律で、現行法令には「農産種苗法」という名称の法律はなく、「種苗法」に改正されている) 1954年(昭和29年)10月25日 「巨峰」を特許庁に商標出願(ブドウ果実と種苗)する。 1955年(昭和30年)10月13日 特許庁より「巨峰」の商標許可。(商標番号第472182号) 1957年(昭和32年)3月6日 「巨峰」種苗名称の登録が拒絶される。当時の農林省(現、農林水産省)から届いた公式文書には「花振るい(ブドウの)や単為結果、脱粒(ブドウなどの)がひどい巨峰は栽培価値がない」と記されていた。
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