工程管理面からの総括
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/23 15:20 UTC 版)
「福島第一原子力発電所1号機の建設」の記事における「工程管理面からの総括」の解説
1号機の場合、工期は起工式から起算すると47ヶ月、設置許可からの起算では51ヶ月であった。池亀亮によると当時60万kWの最新鋭火力は工期30ヶ月程度であったため、原子力発電所工期の短縮化に課題を残した旨認識している。類似のコメントとして中津留暎も初の商業原子炉建設体験から「全工事期間、無我夢中」「工事の省力化への大きな足掛かりを把んだ」としている。 全工程の内、試運転(起動試験)について、榎本聰明は『OHM』1972年4月号で同時期の下記BWRプラントと試験期間を比較している。 ミルストン:試験期間166日 福島1号機:264日 ニュークレノール:168日 モンティセロ:299日 比較した試験期間は燃料装荷期間→加熱試験期間→(タービン併入)→出力試験期間→出力実証試験期間に区分される。福島の場合、上記264日にはタービン搬入遅れにより失われた126日が含まれており、モンティセロは許認可でのトラブル146日とストレッチ試験に要した12日が含まれる。これら設計上の不備などに起因しない遅延はタービン併入前に発生しているため、榎本はタービン併入後に比較範囲を絞り、併入後のクリティカルパスを43日とした。ニュークレノールは44日でこれとほぼ同じだが、他の3プラントは100〜125日前後の範囲に分布しており、クリティカルパス通りにはならなかった。この要因から、改善事項として8点を挙げている。
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