山縣主導による婚約解消への動き
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/13 02:29 UTC 版)
「宮中某重大事件」の記事における「山縣主導による婚約解消への動き」の解説
山縣は同じ頃に開催された皇室財産会議の際に元老の松方正義と西園寺公望に色覚異常問題を伝えると、松方と西園寺の二人は共に驚き、中村宮内大臣に医学的調査を行わせることになった。中村は池辺棟三郎侍医頭と宮内庁御用掛の保利真直、三浦謹之助に色覚異常遺伝の調査を行うよう指示。この調査では改めての診断を行わず、医学上の定説を元に保利が意見書を執筆し、10月11日に提出された。その内容は、色覚異常の家系に生まれた女性が健全な男性と結婚した場合、その息子の半数が色覚異常となる可能性があるので、結婚には特に慎重な熟慮を要し、色覚異常者が軍人になれない規則の改正も必要である、というものであった。 山縣は意見書を読むと、松方、西園寺、中村宮内大臣に加え、山縣系官僚で宮内庁御用掛の平田東助を自邸に招き協議。皇族筆頭である伏見宮貞愛親王に意見書の内容を伝え、貞愛親王から邦彦王を説得してもらおうとした。11月12日に台湾に出張していた邦彦王が戻ると、貞愛親王は久邇宮家の木村英俊宮付事務官を呼び出し意見書を提示した。さらに西園寺は京都で邦彦王に会った際に、直接婚約の辞退を勧告した。
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