少年の成育状況と犯行動機
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/11 23:57 UTC 版)
「奈良自宅放火母子3人殺人事件」の記事における「少年の成育状況と犯行動機」の解説
少年の父は、妻(少年の実母)に対する身体的または精神的なドメスティックバイオレンス、少年に対する身体的または精神的な児童虐待の常習者だった。少年の実母は、夫(少年の父)からの暴力に心身ともに耐えられなくなり、少年の実妹(当時3歳)を連れて別居し、少年が小学校1年の時に離婚が成立し、少年の親権と養育権は父、少年の実妹の親権と養育権は少年の実母が得た。実父母の離婚後は、実父の考えにより、少年は実母と実妹とは交流も連絡も遮断され、一度も会っていない。少年の父は少年の幼児期から、父のように医師になることが唯一絶対の正しい価値や生き方であるという考えに基づいて、医師になることを強要した。少年の学校の試験の成績が実父の要求値より低い場合には、いつも以上に激しい暴力により虐待されていた。また少年は自宅でも居場所が無かったためか息抜きの場所が学校であったと語っており、持っていたマンガ本は友人にあげていたという。 少年の父は少年の実母と離婚後、同じ職場で働いていた医師と再婚した。少年は継母や異母弟妹とは円満な関係だった。少年は父との関係については、父の期待に応えて医師になろうとする気持ちと、父から医師になることを強要され、学校の試験の成績が父の要求よりも低いと身体的・精神的な虐待を受けることに苦痛や恐怖や屈辱を感じる気持ちの、両方の感情を抱いていたが、成長するにつれて苦痛や恐怖や屈辱を感じる気持ちが大きくなっていった。そして、ついには父が仕事で不在であることは分かっていながら、この苦痛や恐怖や屈辱にはもう耐えられない、自分の生活環境をすべて破壊してこの状況から脱出したいという感情により、自宅に放火した。なお、継母と異母弟妹を殺害する明確な意思はなかったという。
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