少女漫画との相違
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/12 15:01 UTC 版)
ボーイズラブ漫画は、作風や絵柄が少年漫画風、青年漫画風、劇画調などに仕上げる作家もいるものの、恋愛模様を主眼においている点と絵柄の美麗な作品が多いことなどから少女漫画と混同されることもある。しかし、少女漫画におけるカップルの多くは異性同士であり、男性同性愛を扱うボーイズラブとはジャンルとしてはおおよそ別れている。 よしながふみ・三浦しをんは、今の少女漫画は主人公の女の子を魅力的でなおかつ読者が嫉妬しないようなキャラとして作らなければならず、そういった困難をクリアするためにボーイズラブが生み出された面もあると指摘している。少女漫画でストライクゾーンが狭い人も、BLなら広く受け入れられるという。また、<攻め>の年齢も職業も、少女漫画よりかなり多様であると述べている。 千田有紀は、最近の少女漫画が恋愛以外の活動で成長する主人公を描くことが多くなっているのに対して、BLは(男性が主人公であるため仕事との両立は言うまでもない前提であるのだが)、BLの恋愛至上主義は際立っていると述べている。また千田は、BLには、ずっと運命の人と愛し合う「究極の一対」のカップルの理想が脈々と生きており、これはすでに少女漫画では失われた愛の幻想で、なつかしいものであると述べている。(少女の頃24年組をはじめとする少女漫画の少年愛ものを読んでいた世代が、大人になってから既婚・未婚を問わずBLの世界に戻ってきているが、BLは彼女たちに昔の読書体験を思い出させたという。)また千田は、少女が母や妻になることで「居場所」を探したのが少女漫画であったなら、BLは母や妻にならなくても「居場所」を与えられるジャンルであり、男女の恋愛では描けない地平をどこかしら拓いたと述べている。
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