小字に関する論考
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/27 01:20 UTC 版)
明治以降に字名が整理された地域は多いが、桑原公徳は「小地名とはいえ、字名は貴重な文化財であるから、その保存につとめるとともに、消滅した字名は収集し、記録に残しておくことが必要である」と述べている。 また今尾恵介によれば、明治時代に整理された小字の中には、番号・仮名・十干・十二支など、固有名詞でない字名となった地域も存在するという。 櫻井澄夫の説によれば、字は現在「アザナ」あるいは「アザ」と読まれるが、人名の場合(アザナ)と同じように「アザナ」が読みの原型で、「字名」も「アザメイ」ではなく「アザナ」と読むものとされる。村名もソンメイではなく、ムラナと読むのが近世では普通で、明治以降、大字と小字という用語が関連の法の制定により、広く使用され「オオアザ」「コアザ」の読みが定着したが、それ以前の「字名」の読みは「アザナ」であり、明治時代以降、「字」が「アザ」とも読まれるようになっていくに従い「アザナ」と読むことを明確にするため「名」を加えて「字名」と、印刷物などでも2文字で書かれるようになったのであろうとしている[要出典]。 また、櫻井澄夫の説によれば、字と共に使われる小名(こな)については、小字と同一である場合と、小字よりも更に細分化された地名を指す場合、近世集落を指す場合(江戸時代の『新編武蔵風土記稿』などに見られる例)、江戸や京都の市内の町より小さい単位の地名を指す場合、橋や川などの名称を指す、つまり地名でなくとも「小さな名称」を意味する場合など、少なくとも5種類はあり、多くの書籍はそのあたりを混乱しているとする[要出典]。
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