小原の大踊り
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/01/25 15:16 UTC 版)
小原の盆踊り・大踊り開催日 8月13日 場 所 吉野郡十津川村大字小原十津川第一小学校校庭(雨天時は同校体育館) 十津川村の中央部、村役場のある大字小原の盆踊りは、小原踊り保存会により8月13日の夜に十津川第一小学校の校庭で行われている。校庭に櫓を組み、中央に青竹を立て、ハッポウ(八方提灯)を吊り下げる。校庭で踊るようになる以前は踊り堂とよばれた寺(泉蔵院)の堂内で踊られていた。踊り堂の周囲には杉板で桟敷が設けられたという。 小原の踊りは「大踊り」「口説き」「馬鹿踊り」に大きく分けられる。大踊りは男踊りともよばれ男性中心の踊りであった。広義の大踊りに含む、世の中踊り・お花踊り・お宝踊りなどを本踊りとよぶが、これらの踊りは次第に歌われなくなり失われ、現在は狭義の大踊りのみが伝承されている。口説きは女性中心の踊りで、お杉口説き・つばくら口説き・中山口説き・お熊口説き・おいそ口説きなどがある。それら以外の踊りは馬鹿踊りといい、木曽節・串本節など民謡を元にした踊りなどがある。 大踊りは前列には男性が太鼓打ちと太鼓持ちに分かれ、その後ろに女性が扇を手に並ぶ。後列には切子灯籠を持つ者が加わる。最初はゆったりと踊られるが後半のセメに入ると、太鼓打ちは白・赤・緑の長い房の付いたバチを振り回しはねるように太鼓持ちの太鼓を打ち、女性はその周囲を取り巻いて扇を頭上に左右に振り、バチと同じ色鮮やかな長い房を付けた切子灯籠は櫓の周りを時計回りに走り回る。次第にテンポが速くなり踊りが高まっていく構成になっている。 この大踊りには農作業や山仕事また女装などの扮装をし、笠や帽子、手拭いで顔を隠して踊りに加わる道化者もいる。集落の人たちがあれは誰かと詮索するのだが、このように仮装で踊りに加わることを「化けて出る」と呼んでいる。昔は道化の人数も多くさまざまな仮装があったという。
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