将棋における手待ち
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/16 21:31 UTC 版)
将棋においては、局面によって駒の重要性が変わるため、どの駒を動かすのが手待ちと言いきることはできない。飽和局面において1筋または9筋の香を1つ進めたり、飛車・角を重要な方面の利きを変えないように動かしたり、金・銀を一手で戻れる位置に動かしたり、といった手待ちが比較的良く行われる。また単なる手待ちばかりでなく、直接的な意図はすぐには発揮されないが、長期的に見て「相手に打開責務を促す着手」を手待ちと見なす。手待ちは一種のパスであるため、局面を大きく変えない手が選ばれるが、実際に手によって局面は変わるため、手待ちの優劣によって勝敗が決することも多い。 プロ棋士をはじめ、多くの棋士はこのため多くの戦形においてより優位となれるような手待ちを研究している。2手1組の組み換えなどは手待ちと言う場合と言わない場合があり、基本的に「誘いの隙」という言葉で代用するほうが正しい。舟囲い - 箱入り娘から▲5八金上 - ▲6九金引 - ▲6八金寄のように3手で相手に隙を作らせて仕掛けたり、穴熊相手に▲7八金寄 - ▲6八金寄の手順で駒が外側に動いたときに仕掛ける手などはその典型的手順である。基本的に後手や下手の場合の方法であり、上手の場合は駒落ちの場合に使う手が手待ちでそれ以外は誘いの隙となる場合が多い。場合によっては同一局面が出来上がり、千日手となりかねないからである。
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