将来の多重星の名前
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/08/11 03:42 UTC 版)
現在の二重星及び多重星の命名法では、別の方法で発見された連星には、異なった名前がついてしまい、混乱を引き起こすこと(例えば、実視連星には発見者による命名、食連星にはアルゲランダー記法等)があり、さらに悪いことに、別の著者ごとに別の添え字文字を与えることがあり、ある著者にとってAの恒星が、別の著者にとってCになることもある。この問題を解決するための議論が1999年から始まり、以下のような4つの命名方式が結論付けられた。 KoMa - アラビア数字またはローマ数字に大文字か小文字の添え字を付ける階層的方式 The Urban/Corbin Designation Method - デューイ十進分類法に似た、数字を用いる階層的方式 The Sequential Designation Method - 発見の順番に天体を並べる非階層的方式 WMC(Washington Multiplicity Catalog) - ワシントン重星カタログで用いられている添え字を拡張した階層的な方式 命名に当たり、階層の中の位置を特定することにより、その性質を計算することが容易になる。しかし、既存の階層の間や上のレベルに新しい恒星が発見された場合には、問題となる。このような時は、階層の一部を内側にずらす。恒星が実在しないと分かった時や、後で階層を変える場合にも問題が生じる。 2000年に行われた国際天文学連合の第24回総会で、WMC方式が承認され、委員会5、8、26、42、45で単一の命名方式に拡張することが決議され、赤経30′分のWMC方式のカタログのサンプルが後に作成された。2003年の第25回総会でも再び問題点について話し合われ、干渉ワーキンググループと委員会5、8、26、42、45で再び、WMC方式を拡張させることが決議された。 WMC方式は階層的に組織化されており、用いられている階層は観測された軌道周期か角距離に基づいている。第1階層には大文字の添え字、第2階層には小文字の添え字、第3階層には数字が用いられる。それ以下の階層には、交互に小文字と数字が用いられるが、サンプルの中にはこの例は見られない。
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