対抗要件に関する判例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/16 14:10 UTC 版)
(最高裁判例 昭和43年8月2日)他人の債権を譲渡する契約をし、当該債権の債務者に対して確定日付ある譲渡通知をした者が、その後同債権を取得した場合には、何らの意思表示を要せず、譲受人は、当然に債権を取得し、これをもって第三者に対抗することができる。 (最高裁判例 昭和49年3月7日)指名債権が二重に譲渡された場合、譲受人相互間の優劣は、確定日付ある債権譲渡通知が当該債権の債務者に到達した日時または、確定日付ある当該債権の債務者の承諾の日時の先後によって決定される。 (最高裁判例 昭和55年1月11日)指名債権が二重に譲渡され、確定日付ある各債権譲渡通知が当該債権の債務者に同時に到達したときは、各譲受人は、当該債権の債務者に対しそれぞれの譲受債権全額の弁済を請求することができ、譲受人の一人から弁済の請求を受けた当該債権の債務者は、他の譲受人に対する弁済その他の債務消滅事由が存在しない限り、弁済の責を免れることはできない。…(当該債権の債務者が二重弁済の責を免れるためには、反対債権があれば相殺できるが、ない時は供託の方法しかない。) (最高裁判例 平成5年3月30日)国税滞納処分としての債権差押をした者と同一債権の譲受人との間の優劣は、債権差押の通知が第三債務者(当該債権の債務者)に送達された日時と確定日付のある債権譲渡の通知が当該第三債務者に到達した日との先後によって決定すべきであるから、その到達の先後が不明の場合には、同時到達の場合と同様、相互に優先的地位を主張することができず、第三債務者が債権額を供託した時には、差押債権者と債権譲受人は、被差押債権額と譲受債権額に応じて供託金を按分した額の供託金還付請求権を分割取得する。 (最高裁判例 平成13年11月27日)指名債権譲渡の予約につき確定日付ある証書により通知・承諾がなされても、債務者は、これによって予約完結権の行使により当該債権の帰属が将来変更する可能性を了知するに止まり、当該債権の帰属に変更が生じた事実を認識するものではないから、これをもって第三者に対抗することはできない。
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