寂光寺の重要文化財との接近部分
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/07 14:42 UTC 版)
「長等山トンネル」の記事における「寂光寺の重要文化財との接近部分」の解説
長等山トンネルの下り貨物線はキロ程2km200m付近で寂光寺の地下を通過し、寂光寺の重要文化財の石仏より南西に約18m、地下約17m、直線距離で25mの位置を掘削することになった。そのため、発破等の振動で重要文化財を損傷しないよう施工を進めることが求められた。 施工の際の発破振動の影響を調査するため、寂光寺より手前の箇所の施工時に発破の際の薬物の量や振動の大きさを記録し、石仏接近部の施工時にどれだけの振動が生じるかを計算式から推定を行った。推定・検討の結果、石仏の重要性や予期しない加速度の発生を考慮し、石仏付近の最大加速度を25gal(震度3程度)以内にするというかなり厳格な目標値が定められた。 導坑の掘削では、1発破ごとに振動を測定しながら掘削を進めた。しかし、石仏に接近するにつれ、石仏に与える振動が目標の25galを超えるようになったため、キロ程2km006m以降では切羽を上下2段に分けて発破を行う2回撃ちを実施したり、大きな振動が発生する心抜きではMS雷管を使用するなどし、振動の軽減に努めた。 導坑掘削後の上半断面の掘削では、導坑掘削時に得られた測定結果も参考にし、薬物の量を制限しながら掘削を進めた。最終的に、導坑の掘削は1968年(昭和43年)8月6日に、上半断面の掘削は同9月13日に無事終えた。
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