家事労働に賃金を
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 07:41 UTC 版)
「マルクス主義フェミニズム」の記事における「家事労働に賃金を」の解説
女性が生産労働から排除されているということを女性差別の最たる象徴として着目し、資本主義において家庭内の仕事にも賃金が与えられるよう要求することに自らの行動主義を捧ぐマルクス主義フェミニストもいる。補償がなされる生産労働を産み出そうという考え方は、シャーロット・パーキンズ・ギルマン (1898) などの著書に書かれている。彼は、女性差別は女性が私的領域に追いやられたことがはじまりであった、と論じた。また、女性の立場は、公的領域において仕事が見つかり、認知され、価値を見いだされれば向上するだろう、とも述べている。 もしかしたら、再生産労働を補償するための取り組みで最も影響力が強かったのは、「家事への賃金を要求する国際運動」であったかもしれない。この運動は、国際フェミニズム団体の団員によって1972年にイタリアで始まった。セルマ・ジェームス、マリアローザ・ダラ・コスタ、ブリジット・ガルティエ、シルビア・フェデリチ といった団員の多くは、学術の世界や公共の場に自分たちの声を発信するために様々な書を出版した。 この取り組みは、イタリアで比較的少人数の女性たちによって始まったにも関わらず、「家事への賃金を要求する国際運動」は国際規模で活発化することに成功した。このグループはニューヨークのブルックリンで、フェデリチの力をかり、発足した。ハイジ・ハートマン (1981) の認めるように、これらの運動は最終的には失敗に終わったが、家事の価値とその経済との結びつきについての重要な説を打ち立てた。
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