家事労働の影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/04 14:27 UTC 版)
不均衡な無給の家事労働は、女性が家庭外での社会的活動を支援するのに悪影響を及ぼす。無給労働は賃金労働への参入の障壁となるか、または賃金労働への参入を経ても二重負担の問題が残る。 1995年のUNDP Women and Development Reportは、男女それぞれの賃金労働と家事労働や地域社会の仕事に費やす無給労働の時間利用調査を、31か国の産業における先進国と途上国において分析した結果を報告している。調査された殆どの国で、女性は男性よりも長時間働いたが経済的報酬は少なかった。この研究は先進国と途上国の両方において、男性は所得の共有を認識しているが、女性の労働は無給で認識されず、過少に評価されていることを見出した。無給労働と賃金労働の時間の割合は、先進国では女性が無給労働に全労働の3分の2を費やし、残る3分の1を賃金労働に費やしている。途上国でも同様に、女性は3分の2を無給労働に費やすが、男性の割合は4分の1に満たない。さらに研究者であるRuth Pearson(ルース・ピアソン)によると、途上国において男性が「女性の仕事」として無給労働を拒否しているという事実の為に、女性が無給労働の過半数を占める傾向にあると主張している。特に男女間の無給労働の負担の差は、グローバル化への男性の参加により女性の家事労働が増加する、ナイジェリアやエクアドルといった発展途上国で特に示されている。
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