実演家等保護条約
【英】 Rome Convention for the Protection of Performers, Producers of Phonograms and Broadcasting Organizations
平成元年条約7号。正式には「1961年10月26日にローマで作成された実演家,レコード製作者及び放送機関の保護に関する国際条約」。「ローマ条約」「隣接権条約」とも略称される。この条約の締結国は,他の締結国の実演家,レコード製作者,放送機関といった著作隣接権の主体に対して内国民待遇を与える義務を負う(ローマ条約4~6条)。わが国は1989(平成元)年に至ってようやくこの条約を批准したが,著作隣接権の概念を持たないアメリカ合衆国はいまだにこの条約を批准していない。2001年4月末現在,加盟しているのは68カ国。
関連項目
(注:この情報は2007年11月現在のものです)
実演家、レコード製作者及び放送機関の保護に関する国際条約
実演家、レコード製作者及び放送機関の保護に関する国際条約 | |
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通称・略称 |
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署名 | 1961年10月26日 |
署名場所 | ローマ |
発効 | 1964年5月18日 |
寄託者 | 国際連合事務総長 |
文献情報 | 平成元年10月3日官報号外第140号条約第7号 |
言語 | 英語、フランス語、スペイン語 |
条文リンク | 著作権情報センター |
実演家、レコード製作者及び放送機関の保護に関する国際条約(じつえんか、レコードせいさくしゃおよびほうそうきかんのほごにかんするこくさいじょうやく、英: International Convention for the Protection of Performers, Producers of Phonograms and Broadcasting Organizations)は、1961年にイタリアのローマにおいて作成された、実演家、レコード製作者および放送機関の著作物に関する権利(著作隣接権)に関する国際条約である。
概要
国際連合の専門機関である国際労働機関(ILO)、国際連合教育科学文化機関(UNESCO)、世界知的所有権機関(WIPO)が共同で管理する知的財産権に関する条約のひとつである。略称は実演家等保護条約またはローマ条約。
著作隣接権とは、著作物の創作者が著作権を有するのに対して、著作物を直接創作したのではないが、著作物などを公衆に伝達する役割を果たすものに認められる権利であり、この条約では、実演家(俳優、歌手、演奏家など)、レコード製作者および放送機関の権利について規定している。
この条約は
を原則とし、実演家、レコード製作者および放送機関に以下の保護を与えている。
- 実演家
- 許諾を得ない実演の放送、録音・録画の防止
- 商業用レコードの放送についての二次使用料請求権の付与
- レコード製作者
- レコードの複製権の付与
- 商業用レコードの放送についての二次使用料請求権の付与
- 放送事業者
- 放送の再放送権、録音・録画権の付与
この条約が発効したのは1964年5月18日であり、2008年3月現在で86か国が締結している。日本は1989年7月26日に加入書を寄託しており、この条約は1989年10月26日に日本について効力を発生している[1]。アメリカ合衆国には著作隣接権制度がないため、アメリカ合衆国はこの条約を締結していない。
脚注
- ^ 1989年(平成元年)10月3日外務省告示第514号「実演家、レコード製作者及び放送機関の保護に関する国際条約への日本国の加入に関する件」
関連項目
- 文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約
- 実演及びレコードに関する世界知的所有権機関条約
- 視聴覚的実演に関する北京条約
- 許諾を得ないレコードの複製からのレコード製作者の保護に関する条約
- レコード著作権マーク
外部リンク
- 実演家等保護条約のページへのリンク