実戦配備まで
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/28 16:13 UTC 版)
海上自衛隊は、当初、あさぎり型(58DD)とむらさめ型(03DD)をFCS-2搭載艦として整備したのち、03中防ないし08中防(平成3~12年度)で、FCS-3搭載の改むらさめ型の建造を開始する予定であった。しかし実際には、改むらさめ型は08中防で建造されたものの、FCS-2搭載のたかなみ型(10DD)となった。同型でのFCS-3搭載が見送られた理由としては、下記の4点があった。 艦砲を62口径76ミリ単装速射砲(76mmコンパット砲)から54口径127ミリ単装速射砲(127mmコンパット砲)に変更したことで、FCS-3を積むための余裕重量が失われた。 開発段階でFCS-3のコストが大幅に上昇した。 組み合わせるための個艦防空ミサイル(短SAM)の開発が遅れた。 開発期間の長期化に伴い、FCSを構成するハードウェアやソフトウェアが既に陳腐化していた。 このうち、短SAMについては、当初は99式空対空誘導弾(AAM-4)をベースにしたアクティブ・ホーミング誘導方式の新短SAM(Active Homing RIM, AHRIM)の採用が計画されており、13中防(平成13~17年度)で「あすか」を用いた実艦テストが予定されていた。FCS-3とAHRIMを組み合わせることで、ごく限定的な艦隊防空能力である僚艦防空能力(Limited Local Area Defense, LLAD)を実現する計画であった。しかし同中防で海自が最重点項目としていた次期哨戒機(後のP-1)の研究開発費を捻出するため、AHRIMの実艦テストは次期中防以降に先送りを余儀なくされたことから(後に中止)、かわってESSMの採用が図られることになった。
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