実の利用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 11:17 UTC 版)
若くて新鮮な実はアルカロイドのサポニンやグルコシダーゼを含み、弱毒である。触れるだけでは危険ではないが、食べると病気になる恐れがある。 サポニンを含むうえに苦くてまずいため食用にはしない。ただし北米の先住民族はサポニンを除去するため長時間かけて実を茹でてから食していた。また静脈系疾患向けに乾燥エキス剤に加工されているものもある。サポニンアエスシンは、静脈瘤、浮腫、捻挫等に対して健康目的で用いられ、食品添加物としても入手できる(→食用に関してはマロン (植物)を参照)。 シカ等のある種の哺乳類は、毒を分解し、安全に食べることができる。馬にとっては健康に良いと言われるが、証明はされておらず、馬に与えることは賢明ではない。 かつて、トチの実はフランスやスイスで麻や亜麻、絹、羊毛等の脱色に用いられていた。石鹸分を含むため、6リットルの水当たり20個の実の皮をむいてやすりをかけるか乾燥させ、石臼で挽いてリンネルや毛織物等の洗濯に利用されていた。 2つの大戦の間、トチの実はデンプンの原料として使われ、このデンプンはハイム・ヴァイツマンの考案したClostridium acetobutylicum 発酵法を用いてアセトンの合成に用いられた。アセトンはバリスタイトからのコルダイトの成形の溶剤として用いられた。 イギリスやアイルランドでは、種子が子供の遊びに使われている。なお、トチの実は、客間に飾るとクモを避けるという迷信がある。
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