定義論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/04/30 08:18 UTC 版)
戦争とは何か、どのように定義すればよいのか、という分析哲学的な問題がある。 これをどのように定義するかは政治的・哲学的な立場や軍事史や政治史の研究などによって変化する。古代ローマの政治家であり哲学者でもあったキケロは戦争を「力による闘争」と定義し、オランダの法学者であったフーゴー・グロティウスは「戦争とは闘争している集団間の状態」と言い足した。イギリスの政治哲学者トマス・ホッブズは戦争は「作戦が継続していない間でも存在しうる緊急事態の状態を意味する」と書き留めている。またフランスの作家・思想家ドゥニ・ディドロは「政治的統一体の発作的で暴力的な病気」と論評した。『戦争論』で著名なプロイセンの軍事学者クラウゼヴィッツは「戦争はそれ以外の手段を以ってする政治の延長である」と論じた。さらに中国軍大佐の喬良と王湘穂は共著『超限戦』において「現代の戦争の形態ではこれまでの軍事的手段だけでなく非軍事的手段も連携し、最大限の国益を追求するようになった」として論じた。 以上のように戦争の定義については様々に述べられているが、それぞれの論者の哲学的・政治的な立場の影響があり、またどの定義にも一長一短があり、加えて近年、戦争の形態大幅な変化もあって普遍的・一般的な定義を求めることは難しい。
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