完成・防災効果
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 15:52 UTC 版)
潮受け堤防の締め切りから約10年後の2007年11月20日に完工式が行われた。同年12月22日午後5時、潮受け堤防の上に全長8.5kmの諫早湾干拓堤防道路が開通した。水門閉鎖により潮受け堤防内側の調整池は有明海から分離され淡水化された。調整池は農業用水源として使用された。調整池のさらに内側に内部堤防が築かれ、中央干拓地と小江干拓地が造成された。水の流れは干拓地の調整池から有明海への一方通行であり、調整池の水位が海面より+0.2mになると有明海への放流がなされた。潮受け堤防の締め切りにより、高潮の被害はなくなったことで防災効果が示された。 水害の回数も減り、農民らは水害に備えて多めに苗準備することを止めた。「ミオ筋」を干拓地に掘る作業も不要になった。干拓の副産物として、干陸地への花の植栽、本明川の競技用ボート場整備、堤防道路を生かしたウォーキング大会やフルマラソン構想などもあり、諫早市では地域活性化に役立てようとしている。以前は大雨のたびに水田は水没し家屋は床下浸水していたが、平成30年7月豪雨では1日に250ミリの降雨があったものの大きな被害はなかった。
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