完成・試運転
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/11 17:18 UTC 版)
「グレート・イースタン (蒸気船)」の記事における「完成・試運転」の解説
船はまだ完成には至っていなかったので、進水後も工事を行う必要があった。しかし、これまでの工事の遅れなどの影響により、すでに予算の2倍近い金額が費やされていた。そのため、イースタン蒸気航海会社は破産の危機を迎えた。ブルネルは新会社「グレート・シップ会社」を立ち上げ、資本金34万ポンドを募ることでこの事態を乗り切った。しかしブルネルは連日の過労がたたり、長期にわたる療養を余儀なくされた。療養中は、再び役員として迎えられたラッセルらにより、作業が進められた。 1859年5月にはブルネルも復帰し、8月に工事が完了した。そして9月7日に試運転を行った。しかし試運転の前日、ブルネルは船内の最終点検を行っていた時、心臓発作により甲板上で倒れ病院へ運ばれた。そのため、ブルネルはグレート・イースタンの試運転を見ることはできなかった。 試運転は多くの見物人の中で行われた。ところが、運転途中にグレート・イースタンの煙突が吹き飛び、作業員に死者数名、負傷者十数名を出す大災害となった。給水管が密閉された状態でボイラー水が加熱されたことが事故の原因であった。ブルネルは病棟でこの事故の報を聞き、9月15日に53歳で息を引き取った。
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