子実体中の成分
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/29 15:19 UTC 版)
凍結乾燥してから粉砕した子実体の熱水抽出物を減圧濃縮した後、95%エタノールで沈殿させると、子実体の乾重に対し9.3%の収率で粗多糖が得られる。これをDEAEセルロースカラムに通してから塩析し、純水溶液としてセファデックス(英語版) G-200カラムを用いてさらに精製すれば、GCG-1と呼ばれる一種の多糖(子実体乾重当りの収率は 0.11%)を得ることができる。 GCG-1は[α]20D − 11.4°(c1.00エタノール)の光旋度を示し、その分子量は約 50000Da である。β-D-グルコセピラノースとα-D-ガラクトピラノースとをおおむね 3:2 の比率で含み、(1→4)-β-D-グルコセピラノースの側鎖(0-6本)と(1→3)- α-D-ガラクトピラノース2分子で構成された側鎖とで修飾された構造を有する。ビタミンCに匹敵する程度の抗酸化活性を示すほか、ヒト肝癌由来細胞株(HepG2)のハウスキーピング遺伝子のmRNA発現機構に作用し、HepG2の アポトーシスを誘発させることから、抗癌剤としての応用が期待されている。 なお、ラッパタケの類似種とされるオオムラサキアンズタケについては、0.16-0.19%のエルゴステリンを含むとの報告がある。しかし、ラッパタケに関しては調査された例がないようである。
※この「子実体中の成分」の解説は、「ラッパタケ」の解説の一部です。
「子実体中の成分」を含む「ラッパタケ」の記事については、「ラッパタケ」の概要を参照ください。
- 子実体中の成分のページへのリンク