天皇非君主説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 12:54 UTC 版)
芦部信喜は日本国憲法下では天皇は「君主」では無いとする。「君主」の要件は「その地位が世襲で伝統的な権威を伴う(世襲君主制)」および「統治権、少なくとも行政権の一部を有する」だが、天皇は「象徴」という主権者の枠外におかれ(憲法第1条)、「国政に関する権能を有しない」者であると規定され(第4条)、国事行為においても「認証」「接受」という形式的・儀礼的行為しか認められていない。憲法1条の規定の主眼は、国の象徴たる役割を強調するというよりも、むしろ天皇が象徴以外の「君主」としての役割を持つことを積極的に禁止した、と解釈する。「国民主権」を原則とする以上、天皇に対し「象徴」以外の権能を、憲法改正等による主権者からの付託を伴わずに与えることには現行憲法上問題がある、とする。 このほか宮澤俊義、小林孝輔 なども、日本国憲法下では天皇は「君主」では無いとする。 日本共産党の不破哲三は同党の81周年記念講演「党綱領の改定について」 で「日本は、憲法で国民主権を明確に宣言している国ですから、天皇主権の国ではなく、天皇と国民が主権を分かち持っている国でもありません。主権が国民に属する国ですから、日本の今の政治の体制を君主制だというと、これは大きな誤解を生むことになります」と述べた。
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