天候と水の支配者として
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 23:05 UTC 版)
「竜王」および「ナーガ」も参照 龍と水の関係の起源はインドのナーガに遡り、仏教を介して中国に伝わり龍と習合した。ナーガはコブラを神格化した蛇神だったが、コブラが生息していない中国では、漢訳経典において竜と翻訳された。類似した事例として、古代中国や韓国やベトナム等沿岸部に存在するクジラ(鯨神)を海上の守護者として崇める風習は、仏教の竜王伝承と迎合した可能性がある。 竜は地上に雨をもたらす水神とみなされたが、竜が雨を降らせるか否かはしばしば玉皇大帝など地位の高い神の命令に基づいていた。民間信仰においても、竜王は玉皇大帝の支配下にあってその命令に従っており、竜王が天候を自由に制御することはできないと認識されることがあった。玉皇大帝が降雨を禁じたにも拘わらずこれに背いて雨を降らせたために罰せられる竜の伝説が中国の各地に残っている。浙江省の「玉柱峰」の伝承では、大晦日に生贄がなかったのを怒った玉皇大帝が3年の間降雨を止めるように竜たちに命じたが、九龍鼎の玉柱龍が命令に従わずに雨を降らせ、地上に1000年間落とされるという罰を玉皇大帝から受けている。また、広西壮族自治区に残る「金龍と鯉魚」の伝承では、3年の間降雨を禁じた玉皇の命に背いた金龍が、天の瑶池で鉄の鎖に拘束される罰を受けている。旧暦2月2日の年中行事「龍擡頭」にまつわる陝西省の伝説では、玉皇大帝の命令に背いて雨を降らせた玉竜が地上の山に閉じ込められる。(詳細は「龍擡頭#伝説」を参照)
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