天使突抜
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天使突抜(てんしつきぬけ)は、京都府京都市下京区の町名。南北に走る東中筋通を挟む両側町で、松原通から六条通までの間に位置する[2][3]。名称はかつて天使社(てんししゃ)を号した五条天神社の境内を貫通して造られた天使突抜通(現東中筋通)に因む[2][3]。
天使突抜は、北は天神前町に接し、そこから南へ1丁目(万寿寺通まで)、2丁目(五条通まで)、3丁目(楊梅通まで)、4丁目(六条通まで)の順に並ぶ[4]。
天正18年(1590年)に豊臣秀吉が京都改造(天正の地割)を行った際、五条天神社の境内に新しく街路を通した。五条天神社は天使社とも呼ばれたことから、この街路は天使突抜通と称された[4]。『京都坊目誌』(1915年)によれば、天使突抜通は当初は高辻通から仏光寺通までであったが、のちに塩小路通まで伸延した[3]。
天使突抜は、『寛永十四年洛中絵図』(1637年)では「天使」と記されていたが、『京雀』(1665年)では「天子(ママ)のつきぬけ」と記され、『京町鏡』(1762年)に至り現在と同じ「天使突抜」と記されるようになった[4]。なお『京雀』では天使突抜4丁目を「しのむら町」と記すが、由来は不明である[2][4]。
江戸期は、1・2丁目が川西九町組卜味三町組、3丁目が川西九町和泉組、4丁目は川西九町中筋組に属した。明治2年(1869年)の町組改正により13番組となり、第17区、第17学区を経て、明治12年に下京区に編入された[2]。
脚注
出典
参考文献
- 角川日本地名大辞典編纂委員会『角川日本地名大辞典』 26-1 京都府 上巻、角川書店、1982年。
- 糸井通浩 著、吉田金彦、糸井通浩、綱本逸雄 編『京都地名語源辞典』東京堂出版、2013年。ISBN 978-4-490-10841-5。
- 源城政好、下坂守 編『京都の地名由来辞典』東京堂出版、2005年。 ISBN 4-490-10683-1。
関連項目
天使突抜
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「五條天神社 (京都市)」の記事における「天使突抜」の解説
当社の境内は、中世には東西4町・南北5町の広さがあり、周囲は森で囲まれていたとされるが、天正14年(1586年)、豊臣秀吉が京都に通りを新設(天正の地割)した際、敷地内の鎮守の森などを貫通したことから一帯の地名が「天使突抜(てんしつきぬけ)」になったとされる。過去の文献では「天使壱丁目」「天子のつきぬけ」等表記が異なるものの、宝暦12年(1762年)刊『京町鑑』には現在とほぼ同じ表記の地名「天使突抜一町目」より同四丁目までが確認できる。また町内には東中筋通があるが、同書では通りの一部が「天使突抜通」と記されている。 街区表示板(天使突抜二丁目)
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