大陸諸国
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/20 08:45 UTC 版)
中世末から近世にかけて、中央集権の進んだ国においては、君主としてのプリンスは存在しなくなり、王族やそれに準じたものが名誉称号としてプリンスと呼ばれるようになった。 一方、近世のドイツでは逆に諸侯(フュルスト)の所領の領邦国家化が進み、貴族の中に領邦国家を治める領邦君主、領邦君主の男系子孫であるが現に統治する領邦を持たない元君主、それ以外の貴族で皇帝や諸侯に仕える宮廷貴族の間に厳然とした身分上の格差が生じた。 こうした過程で、公や辺境伯などの伝統的な大諸侯の称号を持たない諸侯は、諸侯の称号であるフュルスト自体を地位を示す称号とすることを望むようになった。このため神聖ローマ帝国においては、フュルストは公爵より下の爵位となり、さらに時代が下ると領邦君主ではない貴族に与えられる最高位の爵位としてフュルストの称号が用いられるようになった。 近代に神聖ローマ帝国が解体した際、多くの小規模な領邦国家が有力な領邦国家に併合、吸収されたことにより、非君主のフュルストが増加した。このため、近代のドイツでは「侯爵」と訳されるフュルストの中でも、領邦君主である侯爵、元君主の侯爵、宮廷貴族の侯爵の3種別があった。
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