大正末から昭和初期の口語短歌運動
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「口語短歌」の記事における「大正末から昭和初期の口語短歌運動」の解説
大正末から昭和初期にかけては、プロレタリア文学運動、新興芸術派運動という両陣営の短歌革新への気運が口語短歌運動に至った。坪野哲久、五島美代子らもこれに参加しており、前田夕暮のような中堅歌人までが口語自由律歌集を出版した。口語短歌運動の中で作られた短歌の中には、旧来の文語短歌とは一線を画した完全な口語文体からなる作品も多く存在し、散文化・自由律への流れを生み出すこととなった。前川佐美雄や斎藤史などの、文語をベースにしながら口語表現を取り入れた新進歌人が登場するのもこの頃である。しかし、口語短歌運動は字余り・字足らずに対してあまりに寛容でありすぎたため、短歌の定型破壊・散文化が進んで一行詩との区別がつかなくなるという事態に陥ってしまった。そうした行きづまりと伴に、極端な国粋主義・軍国主義の台頭もあり、プロレタリア文学運動と新興芸術派運動は衰退し、口語短歌運動も沈滞した。
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