夜間のAMラジオの伝搬
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 00:14 UTC 版)
「スピルオーバー」の記事における「夜間のAMラジオの伝搬」の解説
前述のように中波AM放送のサービスエリアは、昼間の場合を基本とする。なぜならば、中波帯において地球では通年的に発生する電波伝播現象として、電離層の下層にあって中波帯を吸収するD層が夜間には消失することによる、上層の電離層で反射した電波による遠隔地への電波の到達によって、外部アンテナやアースを付けないポータブルラジオでも、通常の到達範囲からはかなり離れた地点でも夜間には内容が十分にわかる程度の聴取が可能となる場合があるためである。 これにより、近隣局が無い周波数であれば、例えば日本では大都市圏の大出力局はもとより、それ以外の地方局でも(運が良ければ)全くのサービスエリア外でも受信できることとなる。例えばかつての「深夜ラジオ」番組ではそういった熱心なリスナーからの投稿ハガキは日常のことであった。むろんサービスエリアとしての調停などは全く無いため、東京圏の人気局が、自分の地方では近隣周波数に地方局があるためまともに聞けない、という場合もある(一例として、近畿地方における1143kHzのKBS京都ラジオと、1134kHzの文化放送など)。 この夜間の伝搬は数千キロメートルにも至る場合もあるため、日本では近隣の東アジア諸国および旧ソ連の極東地域における放送の混信の他、それらから意図的に日本までの到達を意図した日本向けの放送の場合もある。後者の場合、日本語放送を行っている局もあり、1990年代なかばまで1251kHzで極東送信所から大出力の送信を行っていたモスクワ放送(現「ロシアの声」)などは、ニッポン放送(1242kHz)をアナログチューニングダイヤルで探す際の良いマーカー局代わりになる局であると同時に、厄介な妨害元でもあった。他にも近隣国からの放送は多い。また逆方向には、公式の「放送」ではないため意図は明示されてはいないが、「しおかぜ」にも2016年から中波での送信がある(2018年末時点では中断中)。
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