変化と同一性とは? わかりやすく解説

変化と同一性

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/12 05:06 UTC 版)

ミリンダ王の問い」の記事における「変化と同一性」の解説

ミリンダ王は、ナーガセーナ長老に、「変化する事物は、変化する前と変化した後で同一のものなのか別ものなのか」と問う。ナーガセーナ長老は、「同一でも別ものでもない」と答える。 ナーガセーナ長老例えとして、ミリンダ王は心身未発達幼児期の頃と、成人した現在とで、全く同じか問うと、ミリンダ王は「別もの」だと言うナーガセーナ長老は、そうして変化によって同一性否定するであれば「母」「父」「師」「技能者」「人格者」「知者」「悪人」「善人」といった通念全て成立しなくなってしまうと指摘する混乱したミリンダ王は、一体何が言いたいのか問うと、ナーガセーナ長老は、変化するものであっても同一基体依拠するものとして1つ統合されていることを指摘するミリンダ王に例え求められて、ナーガセーナ長老燈火の例えを出す。ある男一晩中燈火燃やしているとする、その炎は浅夜と深夜未明とでは同一だろうか。ミリンダ王は違うと答える。では別ものかと問われミリンダ王はそうでもない答える。「燈火一晩中同一基体依拠して発光していたので、各段階の炎は即自同一とは言えないまでも、別ものだとも言えない」と。ナーガセーナ長老は、先程の話も同様であると述べる。 ナーガセーナ長老は、「形象連続継起としての変化は、「集結・重置」する作用を伴うものであり、同時同所にある形象生起し、ある形象消滅するという「形象連続継起」は、2つ形象一定点に「集結・重置」するものであり、それによって、もはや両者時間とは関係なく同一存在の相を帯びることになる、したがって、「連続継起」した各形象同一ではないが、「集結・重置」したものとしては別ものではない (と我々の感覚的認識捉える)と述べる。 ミリンダ王に更なる例え求められて、ナーガセーナ長老牛乳例えを出す。しぼられ牛乳は、時が経つにつれて凝乳」、「生牛酪バター)」、「牛酪油」と転化していくが、その事を以てある男が、「牛乳は、すなわち凝乳、すなわち生牛酪、すなわち牛酪油に他ならない」と述べたとしたら、正しいだろうか。ミリンダ王は、「牛乳同一基体依拠して生成遂げたのであり、各段階のそれは別ものでなく、また即自同一でもない」と述べる。ナーガセーナ長老は、先程の話も同様であると述べる。ミリンダ王は感嘆する

※この「変化と同一性」の解説は、「ミリンダ王の問い」の解説の一部です。
「変化と同一性」を含む「ミリンダ王の問い」の記事については、「ミリンダ王の問い」の概要を参照ください。

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