声優アーティスト
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 21:30 UTC 版)
声優アーティストとは、上記のアイドル声優に代わって2000年代半ばごろから出てきた俗称であり、おもに声優業と歌手業を両立させている声優を指すことが多い。 この名称は椎名へきるが1994年(平成6年)のラジオ番組の開始にあたって、「アーティストと声優をしている」と自己紹介をしている点や、彼女の出身養成機関の広告フレーズからうかがい知れ、マネージメントをする者を含む制作者の影響が強く表れている。 近年では歌手としての独立した活動までには至らずとも、アニメに出演する場合、主題歌などを担当したり、各種関連番組(アニラジ、ニコニコ生放送など)やイベントへの出演など、タレント活動を求められる例が一般的になっている。 TARAKO、坂本真綾、MoeMiのように並行してシンガーソングライターとして活動する者もおり、近年は沼倉愛美、鈴木みのり、早見沙織、楠木ともり、小岩井ことり、雨宮天ら自身の手による楽曲の作詞作曲を手掛ける声優アーティストも多くなった。小野友樹のミニアルバム「Winter Voice Friends」では自身の声優仲間らの楽曲提供により構成されている。 他にバンドを組んでいる者もおり、鈴木達央はOLDCODEXというバンド、近藤孝行と小野大輔は、テクノロジック・ヴォーカルユニット“TRD”、前述の小岩井ことりはメタルバンドDAW、田村ゆかりもメタルユニット120600mAh、谷山紀章は音楽ユニットのGRANRODEOで活動している。なお谷山はGRANRODEOではKISHOW名義で、同様のケースでは二ノ宮ゆいが声優時には二ノ宮ゆい、アーティスト時にはニノミヤユイと名義を分けて活動している。 『BanG Dream!』プロジェクトのバンドユニットのように、劇中で声を担当したキャラクターの音楽バンドを、実際においてもバンド活動を行うといったケースがあり、大塚紗英のようにシンガーソングライター活動がメインになっている者もいる。他にも女子高生ロックバンド漫画『ガールズフィスト!!!!』に登場するキャラクター4人と連動するかたちで活動中の、若手女性声優のロックバンドの南松本高校パンクロック同好会、会える声優ガールズロックバンドのHoneysComin'などがある。 また『from ARGONAVIS』プロジェクトのように、「GYROAXIA」のようなキャラクターの声を担当する声優ユニットが、リアルバンドとしてメジャーデビューした。 ヒーラーガールズのようなコーラスユニットと謳ったグループもある。 「アイドル声優」「声優アーティスト」のいずれの場合も、女性声優に特に多いといわれる。声優の男女比率の反映に加えて女性声優が数人在籍するアイドルユニットや声優アーティストユニット自体生み出される数が男性のそれより非常に多い。さらに演じる女性声優も多数出演するタレントゲーム、恋愛シミュレーションゲームが非常に多く発売され、こうしたゲーム出演で多数の女性声優が歌手デビューやアイドル声優化する傾向も続いている。 「アイドル声優」「声優アーティスト」のいずれであれ、声優の顔出しでの活動が増えた理由として、声優の社会的地位の向上のほかに、声優の役割やイメージの変化(「裏方的な仕事」とされてきたのが「ルックスや若さが重視される」ように変化した)が背景としてあると指摘されている。
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