基本に忠実な操縦法の習得
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/03 21:29 UTC 版)
「ムサシノ模型飛行機研究所」の記事における「基本に忠実な操縦法の習得」の解説
ムサシノ模型飛行機研究所では、2つの点でそれまで広く行われていたものとは違うRC機の飛行法を提唱した。 1つは、バンク角25度以内での旋回を行い、舵を中立にして旋回を終了するというものである。実機でも基本の操縦法であるが、RC機の中には(入門機の中にも)、このような操作ではない操作が必要な機種がある。すなわち、主翼上反角が小さいため、ロール方向の復元性が低く、旋回からの復帰には逆方向への操舵が必要となるものである。 このような機種はエルロンを主舵とする、曲技飛行も可能な機体であることが多く、ムサシノ模型飛行機研究所は入門機としては、ラダーを主舵とする(エルロンを持たない)十分な上反角を持った機種を、自律安定性が高く、低速でも操縦性が良いとして推奨している。 なお、ラダーを主舵とする飛行機は、上反角が不足した設計の場合、ヨー軸周りの運動からロール運動が十分に連成されず、現実的には操縦ができないことがある(主翼の横滑りから発生するロール軸まわりのモーメントClβは上反角に比例する)。 上反角が少ない、エルロンを主舵とする飛行機でラダー操舵のみで旋回させようとした場合の旋回性の悪さから、『ラダー方式機は旋回性が悪い』、『操縦練習に当たって変な癖がつく』という誤解を受けるのはこの理由による。 逆にエルロンを主舵とする飛行機は、低速飛行時にはエルロンの効果が減少すること、エルロン操舵によって発生する左右翼の不均衡な抗力によるアドバース・ヨーのため操縦が難しく、正常な旋回を行うためには同時にラダーも使用することが必要となる。 第2点目は、上昇、下降にはエンジンの回転数の増減を利用することである。これも実機では基本の操縦方法であるが、RC機の場合、上昇、下降はエレベータにより行うという操縦が広く行われている。 そのような操縦はエンジンが常時全速で運転している等、推力が相当余分に発生していることが前提である。エンジン回転数が巡航速度とつりあうだけのものであるときには、エレベータを使用して上昇を試みても、一時的に上昇しても速度がすぐに低下し、逆に高度が下がってしまうか失速してしまう。 ムサシノ模型飛行機研究所が提唱する低騒音飛行を行うためには、エンジン回転数を必要最小限として低速飛行することが必要であり、おのずとエレベータではなくエンジン回転数の増減により上昇、下降を行うことになる。
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