地籍図の精度
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/15 10:10 UTC 版)
地籍図には、測量および作図の方法によりさまざまな精度の違いがある。測量の方法としては、図解法か数値法(座標法)の違いがあり、作図方法としては、手書きトレースかペンプロッタの違いがある。数値法(座標法)は、計算してあらゆる点を座標数値化するのに対し、図解法は座標数値化せずに平板測量でアリダードなどを使って方向をおさえ距離を測りながら作図するなどの方法である。図解法と数値法の併用もありうる。ペンプロッタによる作図は、CADソフトからプロッタに作図データを送り機械が作図するのに対し、手書きトレースは人間の手による作図である。また面積計算においては、プラニメーターによる計測、地籍図から筆界点を読み取った座標による面積計算、筆界確定した座標による面積計算などの違いがある。 筆界点の精度は、現地実測および筆界計算により確定した座標かどうかによる。数値法でない場合は、地籍図読取座標となるため精度の高い筆界復元は不可能である。座標読取作業はかなりの誤差を伴うものであるが、技術の進歩により精度の高い座標読取が可能となれば、これをもって準確定座標とみなすこともできよう。ただし、現況との照合は不可欠である。測量を数値法で行ったとしても、作製した地籍図からの読取座標で面積計算することがあり、地籍調査といえども一様の精度ではないことを留意しなければならない。 元来、地籍調査の目的は正確な地図(不動産登記法14条地図)を作製しその結果を登記簿に反映することにあったが、現在は調査範囲内の全筆界点を現地立会のうえ公共座標により確定し、確定した座標により面積計算し、その結果により登記地積を訂正し、その結果高精度な地図が出来上がるという流れになっている。つまり主眼は、公共座標による筆界確定である。筆界点が公共座標により確定されることで、より高精度に筆界点を復元できるようになった。
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