地殻変動と地震波
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/30 01:11 UTC 版)
「チリ地震 (1960年)」の記事における「地殻変動と地震波」の解説
この地震によりアタカマ海溝が盛り上がり、沖合に点在する島では少なくとも5.7mの隆起、海岸に沿ったアンデス山脈西側が2.7m沈降するという大規模な地殻変動も確認された。これはアンデス山脈に平行する向斜褶曲をもたらし、このような地殻変動の観測結果はアタカマ海溝沿いのナスカプレートの沈み込み帯における低角逆断層の震源モデルを支持している。 後の推定によると幅200km長さ800kmに渡って断層が20mずれた事により、有感地震が半径約1,000kmという広範囲にわたって観測された。史上初の地球自由振動の観測に成功し、発生した地震波は地球を3周した事がアメリカでの観測で確認された。本震の震動は約20分後に日本国内の地震観測網でも捉えられた。 1957年から1967年の間に観測されたチャンドラー・ウォブルのうち、1960年の観測結果からチリ地震発生によって地軸の年周運動に不連続が認められた。地球に何らかの原因で弾性球の変形が生じた場合、チャンドラー・ウォブルに変化が生じると予測されるが、たとえ1960年チリ地震のような巨大地震であってもその変形量ではチャンドラー・ウォブルを励起するには全く不十分であるとされていた。しかし、1964年アラスカ地震において、震源域から約5000kmも離れたハワイ諸島においても10-8程度の永久歪が観測され、このような微小な地殻変動であっても全地球にわたって積分すればチャンドラー・ウォブルを励起する可能性があるとされた。
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