地元産の卵
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/25 11:43 UTC 版)
「十年 (2015年の映画)」の記事における「地元産の卵」の解説
中国語: 本地蛋、英語: Local Egg 監督:ン・ガーリョン(伍嘉良) 出演:リウ・カイチー 原題にある「本地」という文字は、2025年の香港では禁句になっているという設定である。映画の中の香港では、紅衛兵をモチーフとした少年団が巡回し、「本地」という言葉を使う香港市民の取り締まりを行っている。「地元産の卵(本地蛋)」と書かれた蛋(鳥の卵)を売っている雑貨店には少年団が押しかけ、香港で唯一卵を生産していた養鶏業者も当局のいやがらせから生産の中止を決定する。 香港で、映画製作当時は愛国教育が盛んに行われ「中国人」を強調する動きが強まっていた。このことから、香港の独自性をアピールする「本土」や「本地」などの言葉がいつか規制されて語れなくなるのではないか、という不安を伝えようとする内容となっている。「香港独立」を意味する「港独」という言葉を語ると、罪に問われかねない空気が映画製作当時の香港では強まっていた。2015年に起きた銅鑼灣書店股東及員工失蹤事件を想起させるような少年団に卵を投げつけられる書店も登場する。 伍嘉良は、2012年に起きた香港への愛国教育の導入に対する反対運動をきっかけに本作のプロットを考えついたと語っている。本作の発表後、伍嘉良には自身の安全を心配する声や、今後業界から干される可能性を懸念する声がかけられたという。
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