團琢磨暗殺事件
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 05:36 UTC 版)
鈴木の暗殺に失敗した菱沼はいったんピストルを四元に返却したが、2月26日になると再び四元から連絡があり、暗殺対象を三井財閥の総帥 (三井合名理事長) 團琢磨に変更するよう言われた。古内の内偵で團琢磨なら出社時にピストルで暗殺が可能であることがわかったので、対象を変更することになった。團琢磨が暗殺対象となったのは三井財閥がドル買い投機で利益を上げていたことが日召の反感を買ったとも、労働組合法の成立を先頭に立って反対した報復であるとも言われている。 菱沼は翌27日から連日三井銀行に通い、團の行動を調査した。3月3日に、四元からピストルを渡され、京成電車に乗って海岸へ行ってピストルの試射をするように言われたので、翌4日に船橋の海岸で試射をし、3月5日に暗殺を実行した。 菱沼は暗殺に際して、共産主義者と間違われないようにワイシャツには南妙法蓮華経と墨書きし、背広にオーバーを着て、東京日本橋の三井銀行本店 (三井本館) に出かけた。到着したのは午前11時ころだったが、玄関前に巡査がいたため、向いの三越百貨店に入り地下の待合室で時間をつぶし、團が出社するのを待った。 團が自動車に乗って出社したとき巡査は玄関にいなかったので、菱沼は出勤してきた團の後をすぐに追い、玄関の階段で團の背後からピストルを1発撃った。團は死亡、一方、菱沼はその場で護衛と巡査に取り押さえられた。菱沼は暗殺後、自殺するつもりだったが実行できなかった。
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