国際連盟の中立性の主張
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/22 18:09 UTC 版)
「エリック・ドラモンド (第7代パース伯爵)」の記事における「国際連盟の中立性の主張」の解説
事務局とそこで働く人々を支えていたのは、プロテスタント世俗的合理主義にも見られるヴェーバー流の官僚論に近い理想であり、非政治的、中立的、効果的、効率的な官僚という考え方であった。ドラモンドは、「世間の賞賛を得た人が主に感謝されるとは限らず、裏で行われている世間に知られていない仕事が、得られた成功の大きな要因になっていることが多い」と述べている。しかし、この理想が常に守られたわけではなく、国家的な優遇措置が完全に放棄されることはなかった。新たに任命された次官は、同じ国籍の者が多く、小国の候補者は除外されていた。ドラモンドは、自身が説いていたことを実践していなかったため、任命された職員が、国際政治ではなく、各国ごとの国内政治を行う小さな島々を作ってしまったのである。 1929年、総会は、国際労働機関と常設国際司法裁判所の事務局を徹底的に調査することを決定した。少数報告では、事務局とその主要役員による実質的な問題への政治的影響力は膨大であり、見過ごすことはできないとされた。しかし、そのことをドラモンドが認識したのは第二次世界大戦後の1950年代であり、それまでは国際事務局の非政治的性格という概念を擁護していた。 国際公務員の政治的性格にもかかわらず、事務局は最高の効率性を持つ手段として広く認識されるようになり、その構造的枠組みは、現在の国際連合に見られるような、後の国際公務員のモデルとなった。
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