国際保健からグローバル・ヘルスへの発展
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 15:33 UTC 版)
「国際保健」の記事における「国際保健からグローバル・ヘルスへの発展」の解説
その後1990年代に入ると、東西冷戦が終結し、世界には、ヒト、モノ、サービス、カネが国境を超えて往来するグローバリゼーションの波が一気に押し寄せた。新自由主義的なワシントン・コンセンサスに基づくグローバリゼーションの進行は、結果的に富の偏在を招き、国家間、国内の経済的格差の拡大を生み出した。途上国の保健医療人材が国外に流出する頭脳流出も大きな課題として取り沙汰されるようになり、SARSやH5N1亜型インフルエンザなどの新興・再興感染症が容易に国境を超えて広がるリスクが増大していた。また、気候変動により、旱魃や洪水が頻発したり、地球温暖化に伴う疾病構造の変化が起こりつつある。こうした国境の枠を超えた健康課題は、もはやこれまでの「国際保健」の枠組み、つまり「富んだ国が貧しい国を支援する」という構造では対応できないものになってきた。2000年代に入り、こうした変化に対応しうる新たなパラダイムとして「グローバル・ヘルス (Global Health)」が提唱されるようになった。
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