商標登録の要件
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 00:07 UTC 版)
要件のうち、主なものを挙げる。 自他商品等識別能力を有すること(3条1項) 自他商品等識別能力を有さない名称は名称としての機能を発揮し得ないから、登録を受けることができない。自他商品等識別能力を有さない例として、その商品等の普通名称(3条1項1号。例えば指定商品「りんご」に対して名称「アップル」)、その商品等について慣用されている名称(3条1項2号。審査基準によれば、指定商品「清酒」に対して商標「正宗」など)、商品の産地、品質等を普通に用いられる方法で表示する名称(3条1項3号。例えば指定商品「りんご」に対して商標「青森」)などが挙げられている。ただし、形式的に自他商品等識別力を有さないと考えられる名称であっても、実際に使用した結果、識別力を具備するに至った場合には商標登録を受けることができる(3条2項。実例としてジョージア事件がある)。 4条1項各号に該当しないこと 4条1項1号から19号に商標登録を受けることができない条件が列挙されている。このうち、実際に適用されることが多いと思われるものをいくつか挙げる。公序良俗違反(4条1項7号) - 実例としてイナバウアー 他人の広く知られた名称と同一または類似の名称(4条1項10号) 他人の先願登録商標と同一または類似の商標(4条1項11号) 他人の業務に係る商品等を混同を生ずるおそれのある名称(4条1項15号) 商品等の品質の誤認を生じるおそれのある名称(4条1項16号) 他人の業務に係る著名な名称と同一、または類似の名称であって、不正の目的で使用するもの(4条1項19号) 一商標一出願(6条1項) 一つの商標ごとに一つの出願としなければならない。ただし、一商標登録出願において複数の商品等を指定することはできる。 商品等の区分に従うこと(6条2項) 指定商品等は施行規則の別表で定められた区分に従って記載しなければならない。例えば化学品は第1類、食肉は第29類などと定められており、食肉を指定商品とする場合には「第29類食肉」と記載する。誤った分類を記載した場合(例えば「第1類食肉」と記載した場合)には拒絶理由となり、商品のみが記載され、分類を記載しなかった場合は補正指令の対象となる。
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