哲学的新自由主義
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 13:56 UTC 版)
経済的新自由主義は経済原則に重点を置くが、少数だが経済政策以外にも触れている。経済的新自由主義の最も急進的な種類の1つでは、健康、教育、エネルギーなどの分野に新しい市場を作る事により、自由市場の技法を商業や経営の外部にも適用することを提唱している。この視点では論理的帰結として重要な自由とは市場の自由のみであり、新自由主義はより哲学的な方向性を持ち、単なる経済理論から宗教や文化に近づく。 ポール・トレナーの説明では以下である。「我々は何故此処にいるのか、私は何をすべきか」といったステレオタイプな論理的設問に対して、新自由主義者は「我々は市場にいる、競争すべきである」と回答する。新自由主義者は人類は市場に存在し他の道は無いと考える傾向があり、市場での実践が善であり、市場に参加しなければいずれは失敗すると確信している。個人的な倫理観でも、一般的な新自由主義的な視点では全ての人類は自分自身を管理する起業者で、そう行動すべきとする。個人は起業家と同様に将来を含めた自己のステータスを最大化するために友人、趣味、スポーツ、配偶者などを選択するという長所の倫理である。この姿勢は初期の自由主義には見られないが、市場原理を人生の非経済的領域に拡大したものであり、新自由主義の特徴的な点である。
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