哲学的方向性とは? わかりやすく解説

哲学的方向性

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/03/17 03:36 UTC 版)

エイドリアン・ムーア」の記事における「哲学的方向性」の解説

ムーアによる現代形而上学対す顕著な貢献一つは、「無観点から(from no point of view)」の世界考えることは可能であるという主張擁護したことである。この議論は『Points of View』において、無謬性ナンセンスについての研究とともに提示された。カントウィトゲンシュタイン参照しつつ、超越論的観念論特定の表現不可能な洞察表現しようとする試みから生じたナンセンスであると論じている。この考え人格本姓価値、神といった、より広い根本的な哲学問題にも応用している。 最新著の『The Evolution of Modern Metaphysics: Making Sense of Things』は、形而上学歴史デカルトから現代に至るまで徹底的に研究したのである形而上学を「物事理解しようとする最も一般的な試み」と定義し形而上学進化を、競合する様々な主張可能性射程見据えながらたどっていく研究である。初期近代後期近代分析哲学分析哲学以外の伝統全て扱われている。ムーアはここで、分析哲学それ以外の間には架橋不可能な深い溝があるという、いまだに根強く残る信念挑戦しているのであるまた、形而上学とは何であり、またなぜそれが重要なのかについての独自の主張提示している。 ムーア形而上学哲学史仕事だけでなく、論理学の哲学および数学の哲学への貢献でもよく知られている。特に、ムーア自身細かな関心反映された、無限の本性に関する業績注目に値する著書の『The Infinite』にて、ムーアは無限という観念その歴史徹底的に議論しており、また有限主義(finitism)の擁護行っている。無限の思想史における広範なアプローチ主題論じながら、様々なパラドックス人間有限性や死といった問題あわせて扱っている。 倫理学宗教哲学分野においてムーア取り組む最大問題一つはこれである。「倫理的思考純粋理性基礎づけることは可能なのか?」著書Noble in Reason, Infinite in Faculty: Themes and Variations in Kant's Moral and Religious Philosophy』にて、ムーアカント道徳宗教哲学援用して、この問いを独自の仕方理解し、それに答えようとしている。ムーア道徳性、自由、宗教という3つのカント主題設定し、これらについて様々な解釈提示している。ムーアによれば道徳性は「純粋な理性によって統制されうるというカント的な主張には難点があるが、文化的社会的に条件付けられた理性という考え採用することでそれに近い主張擁護することはできるという。 ムーアまた、ケンブリッジ大学同僚だったバーナード・ウィリアムズ仕事に特別の関心抱いており、数多く論考書いている。2003年ウィリアムズ亡くなった後、ムーア遺作管理者一人指名された。死後出版されウィリアムズ論文集人文学学問として哲学Philosophy as a Humanistic Discipline)』の編集行っている。

※この「哲学的方向性」の解説は、「エイドリアン・ムーア」の解説の一部です。
「哲学的方向性」を含む「エイドリアン・ムーア」の記事については、「エイドリアン・ムーア」の概要を参照ください。

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