周囲に対するケア
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 22:56 UTC 版)
「ギャンブル依存症」の記事における「周囲に対するケア」の解説
前述のように、ギャンブル依存症はギャンブル依存者の家族の心身に深刻な影響を及ぼす。そのためギャンブル依存者本人だけではなくその家族に対するケアを行うことが必要とされる(ギャンブル依存症の治療に携わる者の間には、「まずは困った家族を最初に援助する」という格言が存在する)。まずギャンブル依存者のギャンブル依存によって家族が身体・精神に疾患を抱えていないか診断し、治療を行う必要がある。また、家族がイネーブリングや共依存に陥っている場合、家族をギャンブル依存者から心理的・空間的に引き離し、イネーブリングを行わないよう改善を促す必要があるとの見解もある。ギャンブル依存症の特性や治療の道筋を理解させる必要もある。とくにギャンブル依存者が病院や自助グループに通うようになっただけで依存症が治ったと誤解する家族が多いため、誤解を解かねばならない。ギャンブル依存者が借金を抱えている場合はその処理について家族を支援する必要がある。家庭が機能不全家族に陥っている場合は、将来的に「普通の家庭」を取り戻すことに備えさせる必要がある。それまでの恨みや怒りから、ギャンブル依存者が回復したとしても依存症になる前と同じように接するのが困難な心理状態に陥る家族が多いためである。家族のための自助グループも存在する(ギャマノン)。 ギャンブル依存者の治療が進みギャンブルを断つことに成功すると、家族との間で新たな問題が生じる可能性がある。ギャンブル依存者本人が家族に対し「自分を信用してほしい」と思うようになるのに対し、それまで苦しめられてきた家族はなかなかギャンブル依存者のことを信用しようとしないからである。このような問題を解決するために、家族が自助グループに通うことが有効である場合もある。
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