含銅硫化鉱からの回収
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/02 15:36 UTC 版)
「コバルト製錬」の記事における「含銅硫化鉱からの回収」の解説
鉱石は、流動床炉で硫酸化焙焼され、銅とコバルトは水溶性の硫酸塩に、鉄は非水溶性のヘマタイトとなる。焼鉱は、続いて銅電解の尾液である硫酸で浸出される。酸化鉱が工程内の酸のバランスを維持するために、この浸出工程で加えられる。浸出液から鉄とアルミニウムを除去するために石灰が添加され、銅は銅カソード上に電解採取される。電解尾液の一部はコバルト回収工程に入り、鉄や銅、ニッケル、亜鉛が浄液工程で除去された上で、水酸化物の沈殿にされる。この沈殿は、残存している銅が沈殿してくるまで石灰を追加しpHを上昇させることで生成させる。銅は銅の工程に戻される。さらに石灰を追加していくと、含銅輝コバルト鉱が沈殿するので、これは浸出工程に戻す。硫化水素ナトリウム(NaHS)を触媒としての金属コバルトと一緒に加えて、硫化ニッケル(NiS)を沈殿させる。硫化水素 (H2S) と炭酸ナトリウム (Na2CO3)を加え、硫化亜鉛(ZnS)を沈殿させる。さらに飽和するまで石灰を加え、水酸化コバルト(II)(Co(OH)2)を沈殿させる。最後に、この水酸化コバルトを再度溶解させて、電解により金属を得る。得られたコバルトカソードは、破砕して真空脱気して純粋な金属コバルトとする。
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