同時方式・点順次方式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 06:14 UTC 版)
「カラーテレビ」の記事における「同時方式・点順次方式」の解説
赤・緑・青の信号を同時に送りだすというもの。NTSC方式はこれの代表例。白黒放送の映像も見ることができ、上位互換性を保っている。また白黒テレビの受像器でも色は付かないものの映像を見ることができ、下位互換性を保っていることが強み(両立性)となり、こちらが主流になった。 三撮像管式(RCA式) 撮影時にダイクロイックミラー(特定の色のみを反射・透過する鏡)で3つに分けた光をそれぞれフィルターで三原色の画像にし、これを1つの電波で送り出す。そのまま送りだすと3倍の周波数帯が必要になるが、現実にはごく小さい面積では人間が色を見分けられないので小面積は輝度信号だけ送るようにして白黒テレビと同じ周波数帯で送れる。その後受像機側で三本のビームを重ね合わせる。RCAの手になる。 長所は三色の映像信号を合成すれば輝度信号になるので白黒テレビでも受像できること。 短所は3つのカメラで同時撮影するので、わずかな像のひずみも色ずれや色むらになるので調整が難しいこと、受像機も同じ問題があるので設置後移動すると問題が出る場合があった。 点順次方式。 カラー信号に精細度が不要であることを積極的に利用し、撮像管の前に赤・緑・青の細かい縦縞のフィルターを置き、出力信号を一連の三原色繰り返し信号(緑→青→赤…など)にして、各原色ごとに分離後低域フィルター(比較的低い周波数しか通らない回路)に入れれば平均化して連続的な原色信号が得られる。 長所は撮像管の数を減らせる事、色ずれが起きない事。 短所は回路が複雑になる事。 分離輝度方式。 点順次方式では三原色信号を重ね合わせても先鋭な輝度信号を得られないので、もう1つ輝度信号用の撮像管(白黒用と全く同じ)を用意したものでハーフミラーで輝度とカラーの信号に分離後、カラー側のみ点順次方式の手順を踏む(二管式)。なお三撮像管式にも分離輝度方式は応用でき、この場合撮像管が4本必要になる(四管式)。 長短は点順次方式に準じるが、輝度信号がより先鋭になる長所と撮像管がもう1本増えて複雑化する短所がある。
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