合成法と化学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/13 23:35 UTC 版)
分子を構成する元素の単体、すなわち S8 と F2 から合成することができる。他のフッ化硫黄類も副生するが、S2F10 は加熱による不均化、SF4 は水酸化ナトリウム水溶液での洗浄による分解でそれぞれ除去される。 S 2 F 10 ⟶ SF 6 + SF 4 {\displaystyle {\ce {S2F10 -> SF6\ + SF4}}} SF 4 + 2 NaOH + H 2 O ⟶ Na 2 SO 3 + 4 HF {\displaystyle {\ce {SF4\ + 2 NaOH\ + H2O -> Na2SO3\ + 4 HF}}} またSF4 を原料として SF5Cl を合成することができる。構造は SF6と類似するが、強い酸化剤であり、加水分解されて硫酸となる。 SF6 の反応はあまり知られていない。溶融した金属ナトリウムとも反応しない。これは、硫黄中心が正八面型に配置するフッ素で覆われていることと、分子全体の極性がほとんど無いことに由来する。 特筆するものとしては、魚雷の推進機関において利用される金属リチウムとの反応がある。 8 Li + SF 6 ⟶ 6 LiF + Li 2 S {\displaystyle {\ce {8Li\ + SF6 -> 6LiF\ + Li2S}}} 反応によって生じた熱エネルギーと海水から水蒸気を生成させ、これを推進力としている。また反応生成物の体積は元の六フッ化硫黄とリチウムよりも小さくなることから、従来の魚雷のように生成物を機外に排出する必要が無く、魚雷の性能向上に寄与している。
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