各海域における流れ藻
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/26 02:28 UTC 版)
世界的には大西洋のサルガッソー海 (Sargasso Sea) の流れ藻が有名であるが、この流れ藻もホンダワラ属の Sargassum natans と Sargassum fluitans である。両種とも浮遊した状態で繁殖する生活史を繰り返している。また、ベルギーではホンダワラ属の Sargassum muticum、ヒバマタ目の Ascophyllum nodosum とヒバマタ科の Fucus vesiculosus の流れ藻が確認されている。アイスランドでは同じくヒバマタ目の A. nodosum とヒバマタ科の F. vesiculosus が、カリフォルニア州沿岸ではジャイアントケルプ (Macrocytis pyrifera) が流れ藻となっている。 日本では初夏の沿岸水域で普通に見られ、日本周辺ではホンダワラ属およびそれに近縁の属の植物が流れ藻の大部分を占めている。これは浅海域の岩礁上に分布しているホンダワラ属の海藻が、流れや波によって基質から引き剥がされ、沖合域に流されたものである。もっとも、この類は多年生または一年生であり、根状の付着部位から再び芽を出す。それより上の部分が切り離されるのは生活史上の普通な現象でもある。 吉田(1963)によると、日本各地の流れ藻の構成種は12属40種にものぼるが、流れ藻の主体はホンダワラ属およびその類縁の海藻であり、その他のものは種類数においても量的においても極めて少ない。
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