各教派と学界での扱い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/25 19:34 UTC 版)
「ネストリウス派」の記事における「各教派と学界での扱い」の解説
「アッシリア東方教会」も参照 カトリック・正教会・プロテスタント等、キリスト教主流派では、ネストリウス派は異端とされる。しかしプロテスタント教会の一部の原理主義的教派では、カトリック教会の聖母崇敬への反発からか、ネストリウス派を支持する動きも見られる。日本基督教団の手束正昭は、ネストリウス派は異端ではなく、カリスマ運動だったと主張している。ただし、本来のネストリウス派には聖母崇敬を否定する意図はなく、現代のアッシリア東方教会などでも聖母崇敬は行われている。また、原理主義的教派はアポリナリオス主義的な説明(キリストは肉体のみが人性で霊魂は人性でなく神性である)が見られ、神学的厳密性に乏しい。 近年では、ネストリウスとエウテュケス(英語版)の教説に関しては、キリスト教の教理の根幹に関わるものではないとし、アリウス派やアポリナリオス主義など教理の根幹に関わる異端と同列に議論し排除するのは大きな問題であるとする研究もある。この研究によると、ネストリウスの異端宣告には、アレクサンドリア学派とアンティオキア学派との政治的対立が背景にあり、さらには互いの神学用語、哲学用語の使用にずれが見受けられ、その他の理由からも再評価が必要だとされている。
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