史進のなじみ娼妓
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/28 15:54 UTC 版)
九紋龍史進(第23位)は後に梁山泊に結集することになる108人中、先頭を切って物語に登場する重要人物であり、第2回に史家村の世間知らずの若旦那として登場し、紆余曲折の末、少華山の山賊に身を落とした後、しばらく話から消え、第58回で再登場して梁山泊入りする。すなわち史進は物語上、史家村・少華山・梁山泊にしか滞在したことがない。しかし第69回、梁山泊の最終的な頭領を決めるために東平府を攻めた際、策略を献言した史進は「かつて東平府にいた時、李瑞蘭というなじみの芸妓がいた」と発言しており、前述の経歴と一致していない。いっぽう『水滸伝』成立前に作られた元雑劇の『都孔目風雨還牢末』では、史進という名の人物が登場しており、役柄は東平府の小役人である。史進に関しては二系統の話が存在し、『水滸伝』の成立に際して『還牢末』系統の話も取り入れられた結果、本文中に矛盾を生じたものと思われる。 なお、史実の「宋江三十六人」集団で宋江以外に名前が分かっている人物はいないが、宋江一党であったと称する史斌という人物が建炎元年(1127年)に興州で蜂起しており、史進のモデルと言われることもある。
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