台湾拓殖による投資
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/12 22:26 UTC 版)
その後の社業の拡大により、多くの関係会社を持つ大企業に成長した。台湾島内の工業化のため干拓、開墾、鉱山、化学工業といった事業の経営ならびに投融資を行った。台湾島外においては華南(特に広東省・海南島)の開発事業が中心であった。台湾拓殖が出資した会社は以下のように多岐に亘る。1944年(昭和19年)12月現在において台湾拓殖が出資していた会社を事業別にして列挙する。左から設立順であり、( )内は本店所在地を示す。 拓殖事業 台東興産(台東)、台湾棉花(台北)、福大公司(台北)、台湾野蚕(台北)、印度支那産業(ハノイ)、台湾畜産興業(台北)、星規那産業(台北)、中支那振興(上海)、拓洋水産(高雄)、新竹林産興業(新竹)、比律賓産業(マニラ)、新高都市開発(台中)、海南畜産(海口)、印度支那農林(ハノイ、設立予定)。 商業 南興公司(台北)、台湾金属統制(台北) 工業 イズナ土地建物(ジャバ トロナグン)、台湾国産自動車(台北)、台湾パルプ工業(台中)、南日本塩業(台南)、東邦金属製鉄(花蓮港)、台湾化成工業(台北)、南日本化学(高雄)、台湾単寧興業(新竹)、台湾通信興業(台北)、台拓化学工業(嘉義)、報国造船(基隆)、高雄造船(高雄) 鉱業 開洋燐鉱(台北)、飯塚工業(東京)、印度支那鉱業(ハノイ)、台湾産金(台北)、台湾石炭(台北)、帝国石油(東京)、台湾石綿(台北)、クローム工業(台北)、稀元素工業(台北) 運輸交通業 台湾海運(高雄)、南日本汽船(台北)、開南航運(台北)、航空ホテル(台北) 金融 戦時金融金庫(東京) このように台湾拓殖による他企業への投資は多岐に亘り、投資総額は5億円を超えていた。設立から10年以上で10倍あまりに膨張したことになる。投資の過半数は島内の重化学工業すなわち当時の主要な軍事産業に集中していた。当局の政策に協力した色彩がきわめて強い。
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