可讀性とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 言葉 > 程度 > 度合 > 可讀性の意味・解説 

かどく‐せい【可読性】

読み方:かどくせい

文字文章読みやすいこと。「—の高い書体


可読性

読みかどくせい
英語:readability

プリントされ内容が見やすく読みやすいこと.画像コントラストが適切で,ノイズ少なく,かつ用紙との視覚的な均質感があること.

可読性

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/11/04 18:01 UTC 版)

可読性(かどくせい、: readability)とは、読み取れる性質、読み取れる度合などを表す言葉。分野により、以下に説明するような意味を持つ。

自然科学

自然科学における可読性とは、何らかの測定機器や器具の出力をどれだけ読み取れるかを表す用語である。例えば、可読性が 1mg のは、0mg、1mg、2mg という単位でしか重さを表示できないため、0.6mg から 1.4mg までの重さの違いを表示できない。同様に、可読性が 0.1mg の秤は 0.06mg から 0.14mg までの重さの違いを表示できない。

文章

文章の可読性とは読みやすさに他ならない。読みやすい文章は、理解や記憶が容易で読む速度が速く、しかも連続して長く読み続けられることが、研究で示されている。

読みやすさとは、文章と読者の相互作用の結果である。読者において読みやすさに影響することとして (1)事前の知識、(2)読むスキル、(3)興味、(4)動機、が挙げられる。文章においては (1)内容、(2)文体、(3)デザイン、(4)構造、が影響する[1]。デザインには、媒体のレイアウト、イラスト、書体などが含まれる。

言語の専門家によれば、可読性は式によって生成される得点で表される。その式は、文章を読者の読解レベルに合わせるためによく使われる。可読性の式は一般に100%の正確さは持たないが、ある文章を読むのに必要とされる読解スキルをそれなりに推定するのに役立つ。可読性の式は世界中の様々な言語で数百万の読者の役に立っている。その数式に問題があるとすれば、それが十分に活用されていない点である[2][3][4]

出版では、可読性の式以外にも文章のレベルを判定する方法を使っている。例えば単語頻度リストがある。単語の出現頻度は読みやすさと密接に関連している。また、経験に基づいた主観的評価も重要な手段である[5]

1930年代以降、アメリカ合衆国でのリテラシー調査によると、アメリカの平均的な成人は中学2年レベルの読解力である。教育レベルと読解力のレベルは必ずしも一致しない。高校を卒業した人でも、中学2年レベルの読解力であることが多く、大学卒業者でも高校1年レベルが多いとされる。実際、読者にわずかな形式的教育を施すだけで、読解力を大幅に改善できることが示されている[3][6]

今日、アメリカでのベストセラー作家のほとんどが、中学1年レベルに合わせて文章を書いている。例えば、ジョン・グリシャムダン・ブラウンなどである。専門家は、法律や医療に関する情報を中学1年レベルに合わせて書くことを推奨している。医療や安全に関する情報を小学5年レベルで書くことを求めている法律も多い[7]。あるレベルの読者を想定して書く場合、自身もそのレベルでないと非常に困難を伴う。方法を知り、訓練し、経験を積む必要がある。ジャック・バーザンは「簡単な英語は誰の母国語でもない」と書いている。

可読性の評価は、可読性調査を行ったり、その結果の分析に基づいた可読性判定の利用でなされる。作家、編集者、出版者は、経験や想定される読者像に基づいて可読性の判定を直観的に行うことが多い。例えば、アメリカでの英語の教科書は、ページの20%が空白であるとき最も可読性が高いとされている。

再可読性とは、既に読んだことのある文章を後で読み返す傾向の度合である。これは読者に大きく依存している判定基準と考えられる。例えば、ロバート・A・ハインラインの作品は再可読性が高いとする読者が多く、そのため再版を重ねている。

プログラミング

コンピュータ・プログラミングにおける可読性(readability)とは、プログラムのソースコードを人間が読んだときの、その目的や処理の流れの理解しやすさを指している。ソースコードを保守するのは人間であるため、その可読性は重要である(ただし、未熟なプログラマが、よく使われるイディオムによる簡潔なコードを「可読性の低いコード」と見なしてしまうことがあり、読む人間のスキルもまた重要である)。コメントも可読性に影響し、適切なコメントは可読性を向上するし、誤ったコメントが放置されていれば誤読のおそれが高くなる。可読性の低いコードは、バグを生みやすく、重複コードによる非効率を生みやすい。

コーディングスタイルの規則の大部分はコードの意味には何ら関係なく、主に可読性に関するものである。例えば以下のようなものである。

機械可読

人間に対する可読性だけではなく、機械可読(machine readable)・〜可読性(〜 readability)という概念もある。機械可読目録の記事などを参照のこと。

タイポグラフィ

字の大きさ、行間、カラム幅、紙面と文字の色とコントラストなどをうまく調整することで読みやすさが向上する。

出典

  1. ^ Gray, W. S. and B. Leary. 1935. What makes a book readable. Chicago: Chicago University Press.
  2. ^ Chall, J. S. 1958. Readability: An appraisal of research and application. Columbus, OH:Ohio State University Press.
  3. ^ a b DuBay, W. H. 2006. Smart language: Readers, Readability, and the Grading of Text. Costa Mesa:Impact Information.
  4. ^ Klare, G. R. 1963. The measurement of readability. T. Ames, IA:Iowa State University Press.
  5. ^ Fry, E. 2002. "Readability versus leveling." Reading teacher 56, no. 3:286-292.
  6. ^ National Assessment of Adult Literacy
  7. ^ Doak, C. C., L. G. Doak, and J. H. Root. 1996. Teaching patients with low literacy skills. Philadelphia: J. P. Lippincott Company.

参考文献

関連項目


可読性

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/20 10:04 UTC 版)

インタプリタ」の記事における「可読性」の解説

インタプリタコード高級言語コードあるいはバイトコード)は機械語バイナリより容易に解読できる(可読性が高い)。ゆえに配布後デバッグ修正容易な一方知的財産保護上の問題起こしうる。そのための暗号化難読化考慮した言語・システム存在する。またJITコンパイル方式でも同様の可読性に関する特性現れる

※この「可読性」の解説は、「インタプリタ」の解説の一部です。
「可読性」を含む「インタプリタ」の記事については、「インタプリタ」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「可讀性」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



可讀性と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「可讀性」の関連用語

1
松本金寿 百科事典
4% |||||

可讀性のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



可讀性のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
日本画像学会日本画像学会
Copyright (C) 2025 The Imaging Society of Japan All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの可読性 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのインタプリタ (改訂履歴)、ウィキペディアの健康情報 (改訂履歴)、マジックナンバー (メッセージ) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS