古典的サイクロトロン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/25 23:24 UTC 版)
「サイクロトロン」の記事における「古典的サイクロトロン」の解説
サイクロトロンの中でイオンを加速していくとき、イオンのビームが最初から持っている進行方向のばらつきや同符号の電荷が反発することにより広がってしまい、最終的に壁に衝突して失われてしまうと最終的に取り出せるイオンの量は非常に少なくなってしまう。そこでイオンに対して何らかの収束作用が必要になる。古典的なサイクロトロンでは周辺部の磁場を中心の磁場よりも弱めることで弱収束を利用して軸方向の収束を得るが、イオンは加速されるにつれて相対論的効果により曲がりにくくなってしまい、イオンより遅れて周回することになる。ディーにイオンが入るタイミングで加速電圧が正である限りは加速できるため、ディーの電圧が最大になるよりも早いタイミングで入射し、遅いタイミングで取り出すことでイオンを加速することができる。しかしながら、イオンの運動エネルギーが増大して取り出す前に加速電圧が0になるタイミングに間に合わなくなってしまうとそれ以上加速できなくなるため加速エネルギーには限界がある。この限界は陽子の場合20MeV程度である。
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