古代の技術 ― 技術哲学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/04 04:09 UTC 版)
古代ギリシアでは、人間の「制作活動一般に伴う知識や能力」が尊重されて《技術 テクネー》と総称されていた。また、技術は学問(古代科学)でもあった。プラトンの『ゴルギアス』によると、技術とは《本質についての理論的知識(ロゴス)を持つ働き》である。 アリストテレス哲学では、技術は《知識 エピステーメー》と同義であり、《ある事柄を原因から認識する一般的知識》だとされる。(技術と似たものに「経験 エンペイリアー」があるが、これは事柄についての単なる習熟だとされる。) 特にアリストテレスの『ニコマコス倫理学』によると、技術は《創造的方法について考究する働き》であり、《真の知識(ロゴス)を伴う制作能力》である。すなわち技術は単なる知的能力ではなく、《学問的かつ経験的で普遍的かつ個別的な真理認識の能力》だとされる。ハイデッガーの著名な解釈によると、ここでの「技術」とは《制作による一定の真理解明》(エントベルゲン Entbergen)だと言う。 なおアリストテレスの言う《知識》は、理論知と実践知とに区別されることもある。後者は近現代的な意味での「技術」へと繋がっていった。
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